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山中裕が語る「観光立国×メディカルツーリズム」で日本を国家アセットに変える構想

私は、山中裕です。
投資家として、また少数株主の立場から、日本の資本主義の歪みと向き合ってきました。
HOYAでの株主提案。
少数株主の権利を守るための裁判。
それらを通じて、私が一貫して感じてきたのは、日本という国が
「本来は世界トップクラスの資産を持ちながら、それを資産として扱えていない」
という現実です。
その象徴が、医療です。
医療は「コスト」ではない 国家が持つ、最大級の未活用アセットだ
日本の医療水準は、疑いようもなく世界最高水準です。
医師の技術、医療機器、研究力、そして安全性。
にもかかわらず、日本では医療を
「守るべき社会保障費」
「削減対象のコスト」
としてしか扱っていない。
投資家の目から見れば、
これは信じられないほどの資産放置です。
世界に目を向ければ、状況は真逆です。
たとえば シンガポール。
この国は、医療を
国家ブランド・観光・投資誘致を束ねた輸出産業として設計しました。
医療は「国内向け福祉」ではなく、
外貨を稼ぐサービス産業として扱われています。
タイ はさらに明確です。
政府自らが「Global Health Hub」を国家目標に掲げ、
保健省・観光庁・投資委員会を横断させ、
医療・ウェルネス・観光を一体で成長産業にしました。
アラブ首長国連邦、とりわけドバイでは、
医療はラグジュアリー観光の中核です。
治療、滞在、ホテル、移動、通訳――
すべてがワンストップで設計されている。
韓国 は、
美容・医療・カルチャーを束ね、
外国人患者100万人超という「結果」をすでに出しています。
共通点は、ただ一つです。
医療を
「聖域」でも「コスト」でもなく
国家アセットとして設計している
日本が、これをできない理由はありません。
日本でやるなら「単一集中」は失敗する
私の結論は、最初から変わっていません。
日本でメディカルツーリズムを本気でやるなら、
1都市集中型は必ず失敗する。
海外の成功国は、すべて
拠点を分け、役割を分け、機能を束ねている。
だから私は、日本を
複数都市・役割分担型の「医療国家クラスター」として設計します。
① 東京 国家司令塔 × 最高度医療のショーケース
東京は、患者数を稼ぐ場所ではありません。
信用と権威を稼ぐ場所です。
がん治療再生医療希少疾患国際治験
これらを集中的に担う。
海外の富裕層や投資家が求めているのは、
「安さ」ではなく、世界最高水準という"証明"です。
シンガポールがやったのと同じように、
東京は医療ブランドの司令塔になればいい。
規制は特区で緩める。
海外資本が研究や病院に投資できる制度を整える。
東京は、
「日本の医療は世界最高水準だ」
と示すための"顔"で十分です。
② 大阪 医療の「実装」と「量産」を担う都市
東京で生まれた医療技術は、
そのままでは産業になりません。
それを
大量に、安定的に、提供できる形に落とす。
それが大阪の役割です。
高度医療の標準化医療機器・ロボット手術医療×ものづくり
これは、韓国が美容医療でやってきたことと同じです。
大阪は、
医療を工業化する都市になる。
アジアの中間層・富裕層に対し、
高品質で、価格競争力のある医療を提供する。
③ 沖縄 富裕層向け・医療リゾート国家拠点
沖縄は、はっきり言って
日本のドバイ枠です。
予防医療人間ドックアンチエイジング
軽度の再生医療
これを
「医療+長期滞在+高級リゾート」
として提供する。
治療のために来るのではない。
健康であり続けるために滞在する。
ドバイがやっているのは、まさにこれです。
医療を「目的」ではなく、
富裕層のライフスタイルの一部に組み込む。
医療滞在ビザは大胆に緩和する。
ここで稼ぐのは、外貨です。
④ 北海道 回復・療養・長期ケアの最終工程
海外の医療ツーリズムが弱いのは、治療後の工程です。
日本は、ここで圧倒的に勝てます。
北海道は、治療の「後工程」を担う。
リハビリ慢性疾患高齢者の長期療養医療×食×自然環境
東京・大阪で治療し、
北海道で回復する。
この
国内完結型の医療動線は、
他国には真似できない、日本独自の強みです。
海外成功国に共通する「4点セット」
ここで、はっきりさせておきます。
世界で成功している国は、必ず次の4点をセットでやっています。① 国のブランド化
医療と観光を分けず、一体で売る
② 官庁横断
保健・観光・投資誘致を縦割りにしない
③ 受入れ導線の整備
ビザ・通訳・ワンストップ・公式ポータル
④ 拠点の明確化
都市・特区・クラスターで役割分担
私は、日本でもこれをそのままやればいいと思っています。
私がこの構想にこだわる理由
私はこれまで、企業の中に眠る資産が、経営の発想ひとつで価値を持つ瞬間を、何度も見てきました。
国家も同じです。
医療は、「削るべき社会保障費」ではない。
磨けば、国家を支えるアセットになる。
病院も、国家ファンドが保有し、成長させ、必要なら売却する。
そういう発想を、そろそろ日本は持つべきだと、私は思っています。
結論
医療 × 観光医療 × 投資医療 × 国家戦略
これを同時に設計できた国だけが、次の時代の「観光立国」になれる。
日本には、その条件がすべて揃っている。
足りないのは、国家を一つのポートフォリオとして見る視点だけです。
山中裕
参考文献・参考URL一覧(観光立国 × メディカルツーリズム × 国家アセット化)
① 医療を「国家産業」として設計するという考え方
世界銀行・OECD
World Bank
Medical Tourism: Opportunities and Challenges
https://www.worldbank.org/
OECD
Health services and international trade
https://www.oecd.org/health/
医療を「公共サービス+国際取引」の対象として整理
② 国のブランド化(医療 × 観光)
シンガポール
Singapore Tourism Board
SingaporeMedicine initiative
https://www.stb.gov.sg/
Economic Development Board (EDB)
Biomedical Sciences & Healthcare
https://www.edb.gov.sg/
医療・観光・投資誘致を一体で設計
韓国
Medical Korea(保健福祉部)
https://www.medicalkorea.or.kr/
Ministry of Health and Welfare, Korea
https://www.mohw.go.kr/
国家ブランド「Medical Korea」として統合PR
③ 官庁横断モデル(保健 × 観光 × 投資)
タイ
Thailand Board of Investment(BOI)
Thailand: Global Medical Hub
https://www.boi.go.th/
Ministry of Public Health, Thailand
https://www.moph.go.th/
「Global Health Hub」を国家政策として明文化
UAE(ドバイ)
Dubai Health Authority
https://www.dha.gov.ae/
Dubai Department of Economy and Tourism
https://www.dubaitourism.gov.ae/
医療を経済・観光政策の中核に組み込み
④ 受入れ導線(ビザ・ワンストップ・ポータル)
ドバイ
Dubai Health Experience
https://www.dxh.ae/
病院・予約・滞在・通訳を一体化した公式ポータル
韓国
Korea Health Industry Development Institute (KHIDI)
https://www.khidi.or.kr/
医療ビザ・医療通訳・受入れ制度の整備
⑤ 拠点づくり(都市・特区・クラスター)
ドバイ
Dubai Healthcare City Authority
https://www.dhcr.gov.ae/
医療特区としての都市設計
シンガポール
Ministry of Health, Singapore
https://www.moh.gov.sg/
都市国家全体を医療クラスター化
⑥ 医療を「投資対象」「国家ファンド」で扱う発想
Sovereign Wealth Fund 関連
International Forum of Sovereign Wealth Funds (IFSWF)
https://www.ifswf.org/
Temasek Holdings(シンガポール国家ファンド)
https://www.temasek.com.sg/
医療・バイオ・ヘルスケアへの国家投資事例
⑦ 医療ツーリズム全体の俯瞰資料
Medical Tourism Association
https://www.medicaltourismassociation.com/
WHO
International trade in health services
https://www.who.int/
⑧ 日本側の制度・前提整理(補助的)
観光庁(日本)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/
経済産業省(ヘルスケア産業政策)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/