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山中裕が語る「国籍は売れるのか?“選ばれる国家・日本”をつくるための現実的国家設計」

【独占ロングインタビュー】

聞き手:サクラフィナンシャルニュース編集部

山中さんは、「日本国籍・永住権を世界の富裕層に販売する」という提案をされています。まず、この構想の思想的な前提から教えてください。

山中裕

まず、最初に誤解を解いておきたいのですが、この構想は「グローバル化万歳」でもなければ、「国籍の安売り」でもありません。

むしろ、私はかなりナショナルな立場に立っています。

はっきり言えば、日本国は日本人のものである。この前提は、一切揺らいでいません。

だからこそ私は、通常の帰化については、今よりも相当程度、厳しくすべきだと考えています。

言語、歴史、法制度、価値観、社会的責任。これらを共有する意思と能力があるかどうかを、今以上に重く見るべきです。

一方で、現実を見渡すと、国家はすでに「道徳」や「理念」だけで存続できる時代ではありません。

国家は競争しています。人材、資本、技術、消費、拠点。

この競争の中で、日本は戦略的に何を提供できるのか。ここから逃げてはいけない。

―― 世界では「投資による市民権(CBI)」や「ゴールデンビザ」が広がっています。

山中

そうです。この点は、思想ではなく事実として押さえる必要があります。

現在、世界では100カ国以上が、何らかの形で「投資・寄付・不動産購入」と引き換えに、永住権、あるいは市民権への道を用意しています。

ヨーロッパ、カリブ海諸国、中東。アメリカでさえ、富裕層向けの高額滞在資格を巡る議論が絶えません。

重要なのは、もはや“国籍や滞在権は神聖不可侵”という時代ではないということです。

にもかかわらず、日本は「そんな話はけしからん」「議論すること自体が不謹慎」と、長年、思考停止してきた。

結果どうなったか。

国際金融都市としても中途半端

富裕層の移住先としても選ばれない

税でしか国家収入を考えられない

私は、こちらの方がよほど危険だと思います。

―― 山中さんの案では、「特別国民」という枠を設けています。

山中

はい。ここは極めて重要なポイントです。

私の構想は、国籍制度を二層構造に再設計するというものです。

第一層:通常の日本国民

  • 帰化要件は厳格化

  • 日本社会との同化・責任・義務を重視

  • 国籍は「共同体への参加証」であるという位置づけ

第二層:特別国民(枠付き)

  • 国籍取得価格:20億円

  • 年間上限:500人

  • 二重国籍を原則容認

  • 消費税(またはVAT)以外は、生涯無税

これを聞いて「金持ち優遇だ」と言う人が必ずいます。

しかし、冷静に考えてほしい。

この制度で得られるのは、年間1兆円の安定した国家収入です。しかも、これは国債でも増税でもありません。

日本という国家が持つ「国籍」というアセットを、限定的・戦略的に活用するだけです。

―― なぜ20億円、500人という設計なのですか。

山中

理由は二つあります。

一つは、希少性です。安く、大量に売れば、国家ブランドは毀損する。

もう一つは、本当に世界のトップ層だけを対象にするためです。

20億円を一括で支払える人間は、世界でもごく一部です。

彼らは単なる「金持ち」ではない。国際的な投資ネットワーク、企業、資産運用、消費行動を持っている。

彼らが日本に拠点を置けば、税金をかけなくても、日本経済への波及効果は計り知れません。

―― 「特別国民は無税」という点は、かなり大胆です。

山中

これは感情的に反発されやすいですが、極めて合理的な設計です。

世界の超富裕層は、すでに税制で国を選んでいる。

中途半端な優遇では、絶対に勝てません。だったら、最初に大きく払ってもらう

その後は、日本で自由に消費・投資してもらう。この方が、国家にとっても合理的です。

消費税だけでも、日本国内での支出が増えれば、雇用・企業収益・地方経済に波及します。

これは「無税国家アカデミー」という私の構想全体とも整合的です。

―― 中国など「仮想敵国」は制限または禁止するとしています。

山中

これは、感情論ではなく、国家安全保障の基本です。

どの国も、CBI制度には必ず「除外国リスト」「強化審査国リスト」を持っています。

日本だけが、「お金を払えば誰でも歓迎」というのは、あまりにも無防備です。

価値観、外交、安全保障。

これらを踏まえた厳格なバックグラウンドチェックは、絶対条件です。

―― 二重国籍について、日本では否定的な声も強いです。

山中

現行の日本法は、「どちらかを選べ」という設計です。

しかし、これは高度成長期の「国民=国内に住み、国内で働く」というモデルを前提にした制度です。

今や、拠点は複数、資産は国境を越える。家族も国際的という時代です。

二重国籍を全面解禁しろ、とは言いません。しかし、国家戦略として選ばれた層については、柔軟に設計すべきです。

―― 最後に、この構想を一言で表すなら?

山中

「国家を感情ではなく、設計で考える」ということです。

税で搾り取る国家から、価値を提供し、選ばれて稼ぐ国家へ。

国籍、大学、医療、農業、観光。日本には、まだ世界が欲しがる資産が山ほどある。

それを「触るな、語るな」で朽ちさせるのか。

それとも、ルールを再設計し、未来の原資に変えるのか。

私は、後者を選びます。