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山中裕が語る「ロンドン市の若者メンター制度」を日本版を作りたい

【独占ロングインタビュー】

山中裕が語る「ロンドン市の若者メンター制度」を日本版へ

― 投資家が挑む“次世代への社会投資モデル”とは ―

聞き手:Capital Justice Lab 編集部

なぜ今、若者へのメンター制度なのか

編集部: 山中さんはこれまで企業統治や投資の世界で活動されてきましたが、今回「ロンドン市の若者メンター制度」を日本版として導入したいという構想を語られています。まず背景から教えてください。

山中裕: 私は長く投資の現場にいますが、日本社会の最大の問題は「資本と機会の偏在」だと思っています。 若者は将来の担い手でありながら、経験や人脈にアクセスできない。

ロンドンでは、金融街や専門職の人材が若者に伴走するメンタリングが制度化されています。 これは福祉ではなく、人的資本への戦略的投資です。

日本でも同じことができるはずだと考えています。

ロンドン市モデルの本質とは何か

編集部: 日本でもキャリア支援や教育制度はあります。ロンドンの何が違うのでしょうか。

山中裕: 一番の違いは「都市戦略として設計されている」点です。

ロンドンでは、市や関連団体が企業・教育機関・若者をつなぎ、 プロフェッショナルが定期的に若者をサポートする仕組みがあります。

つまり、

  • 単発の講演ではない

  • 短期の就職支援でもない

長期的な伴走です。

これは企業統治に似ています。 単発の改革ではなく、継続的なモニタリングがあるから機能する。

日本版メンター制度の構想

編集部: 具体的にどのような制度を想定していますか。

山中裕: 私は「三層型モデル」を考えています。

第一に、メンター登録制度。 投資家、起業家、エンジニア、金融専門職などが参加する。

第二に、若者の推薦プラットフォーム。 自治体や学校、NPOが対象者を紹介する。

第三に、AIマッチング。 価値観や進路希望を分析し、最適なメンターを選ぶ。

重要なのは、精神論ではなく制度として設計することです。

メンターは“ボランティア”ではない

編集部: 日本ではボランティア頼みになる印象があります。

山中裕: そこが日本型の弱点です。

ロンドンでは、メンター自身の評価や研修があり、 社会的な信用として蓄積される仕組みがあります。

私は日本版でも、

  • メンター活動の実績を可視化

  • 企業評価や採用評価と連動

といった設計が必要だと思っています。

なぜ投資家が制度設計を語るのか

編集部: 教育分野は行政の役割という印象もあります。

山中裕: 確かに行政は重要です。 しかし、人的資本は国家だけでは育てられません。

投資の世界では、未来に資源を配分することが最も重要です。 私は企業改革を通じて、制度設計の力を見てきました。

同じ発想を社会に応用するだけです。

若者は“社会の少数株主”である

編集部: 山中さんらしい表現ですね。

山中裕: ええ。 若者は社会の少数株主だと思っています。

意思決定には関われない。 でも将来の価値を担う存在です。

だからこそ、経験豊富な大人が伴走する仕組みが必要なんです。

財源は税金だけではない

編集部: 制度化となると予算が気になります。

山中裕: 税金だけに頼る必要はありません。

  • 企業の人的投資

  • 社会貢献ファンド

  • 地域金融機関の協力

これらを組み合わせれば、持続可能なモデルが作れます。

私は、メンタリングを「社会インフラ」として扱うべきだと思っています。

地方都市から始めるという戦略

編集部: 東京から始めるのではないのですか。

山中裕: むしろ地方からです。

ロンドンの制度も、都市単位で機能しています。 日本でも自治体単位で実証したほうが早い。

地方には優秀な若者が多いのに、機会が少ない。 そこに経験資本を流すだけで大きく変わるはずです。

データで評価するメンタリング

編集部: 成果はどう測るのでしょうか。

山中裕: 投資家としては、成果指標は必須です。

例えば、

  • 進学率や就業率

  • 起業数

  • 心理的自己効力感

こうしたデータを追跡し、制度をアップデートしていく。

メンタリングは感情論ではなく、設計可能な社会技術です。

日本の資本主義をアップデートする試み

編集部: 最後に、この制度が日本に与える意味を教えてください。

山中裕: 私は、日本の資本主義をアップデートしたいんです。

企業だけが資本の対象ではない。 人こそ最大のアセットです。

ロンドンの制度は一つのヒントですが、日本は日本の形で進化できる。

若者にお金を配るのではなく、 ネットワークと経験という「見えない資本」を渡す。

それが次の時代の競争力になると思っています。

編集後記

投資家という立場から語られる若者メンター制度は、 単なる教育政策ではなく、資本配分の再設計という側面を持つ。

ロンドン市の事例をヒントに、日本型モデルがどのように進化するのか。 今後の動向に注目したい。

参考文献・参考URL

City of London Corporation – Step Up Mentoring Programme https://www.cityoflondon.gov.uk/

Greater London Authority – New Deal for Young People https://www.london.gov.uk/

London Youth Mentoring Support Programme https://londonyouth.org/

OECD “Mentoring Programmes for Youth Development” https://www.oecd.org/

UK Department for Education – Youth Mentoring Frameworks https://www.gov.uk/